この章でできるようになること
- 「AI をどの仕事に使うか」を、1つだけ決められる
- 無料の範囲で、10分以内に最初の1回を試せる
- 試した結果を見て、続けるかどうかを判断できる
結論:ツール選びより、「何に使うか」
先に、いちばん大事なことを書きます。
どのツールを選ぶかより、「何に使うか」のイメージを持てるかどうかが、一番大事です。 体験談
AI のツールは、使い道が決まっていないと、触っても続きません。
逆に、「この仕事に使う」と決まっていれば、ツールは後から選べます。
だから、この本は「ツールの紹介」から始めません。
まず、自分の仕事のどこに AI を使うかを決めます。
もう1つ、僕の考えです。
むやみに課金しない。むやみにクレジットを使わない。 体験談
どのツールにも無料枠があります。まず無料枠で、小さく試してください。
Anthropic(Claude の会社)の無料コースでは、AI との付き合い方を4つの柱(Delegation〈任せる〉、Description〈伝える〉、Discernment〈見極める〉、Diligence〈責任を持つ〉)で整理していて、1つ目が「何を AI に任せるか」です。公式・確認日 10/28
「何に使うか」から始めるのは、遠回りに見えて、いちばん近道です。
何を選べばいいか:5つの基準
AI に任せやすい仕事には、共通点があります。
次の5つを、多く満たす仕事ほど、最初に試すのに向いています。目安
| # | 基準 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 手順を、言葉で説明できる | 説明できない仕事は、AI にも頼めません |
| 2 | 失敗しても、取り返しがつく | 送る前・公開する前に、自分で直せる仕事を選ぶ |
| 3 | 結果を、自分で確認しやすい | 数字・文面・表など、見て分かるもの |
| 4 | 個人情報や機密が、少ない | 最初は、守るべき情報が少ない仕事から |
| 5 | 週に1回以上、くり返す | くり返す仕事ほど、一度整えると効果が積み上がる |
逆に、最初は避けたほうがいい仕事です。
- お客様にそのまま送って、取り消せないもの(確認なしで自動送信など)
- お金や契約が直接動くもの
- 個人情報や機密が中心のもの
- そもそも自分でも、どうやるか決まっていないもの
ワーク:最初の1つを決める(5分)
手順
① 今週やった仕事を、思いつく順に書き出します。(5〜10個。細かくなくて大丈夫です)
② 次のプロンプトに、書き出した仕事を貼り付けます。 「任せやすい順」に並べてもらえます。
プロンプト P1:仕事の棚卸し
私の仕事のうち、毎週くり返すものを、AIに任せやすい順に並べてください。
私の仕事(箇条書き):
- [仕事1]
- [仕事2]
- [仕事3]
(必要な数だけ足す)
並べる基準:(1)手順を言葉で説明できる (2)失敗しても取り返しがつく (3)結果を自分で確認しやすい (4)個人情報・機密が少ない (5)週1回以上くり返す
出力の形:表(仕事 / 5つの基準を○△×で / 任せやすさ1〜5 / 最初の依頼文の案を1行)。表のあとに、「最初に試す1つ」とその理由を2行で。
守ること:私が書いていない仕事は足さない。点数は目安で、最終判断は私がすると書き添える。検証2026年10月28日、Claude(Sonnet 5.5)で1回試しました。
美容室の仕事6つ(LINE返信、売上集計、Instagram投稿、発注メール、スタッフ指導、電話対応)を入れると、次の表が返ってきました。
- 1位は「Instagramの投稿づくり」(5つの基準がすべて○)、6位は「予約の電話対応」でした。
- 「月末の売上集計」は月1回なので、「週1回以上」の基準が×になる、と自分から指摘しました。
- LINE返信と発注メールには、「送信後は取り消せないので、送る前に必ず自分で読む」と書き添えられました。
- 書いていない仕事は足されませんでした。
1回の結果で、毎回こうなるとは限りません。点数は目安です。最終判断は自分でしてください。
③ 返ってきた表を見て、「最初に試す1つ」を決めます。
迷ったら、「失敗しても取り返しがつく」「結果を自分で確認できる」を優先してください。
最初の1回を試す(10分)
手順
- 無料で使える AI を1つ開きます。(選び方は、第2章・第3章で詳しく書きます。今は、普段いちばん使いやすいもので構いません)
- 決めた仕事を、第4章の「依頼の5点セット」に当てはめて、1回頼みます。
- 返ってきた結果を、自分の目で確認します。
時間を測ってください
試す前に、今までその仕事にかかっていた時間を、1つメモしてください。
そして、AI を使ったときの時間と比べます。
自分で測った数字だけを、信じてください。 目安
「AIで時間が10分の1に」のような数字は、条件がそろわないと再現しません。
続けるかどうかを、判断する
試した結果を見て、次の3つを自分に聞きます。
| 質問 | はい → | いいえ → |
|---|---|---|
| 結果は、そのまま、またはちょっと直せば使えた? | 続ける | 頼み方を変えて、もう1回(第4章) |
| 自分でやるより、時間が減った? | 続ける | その仕事は、AI 向きではないかも。別の仕事で試す |
| 来週もまた、同じ仕事がある? | くり返しに向く。手順を保存する(第5・6章) | 単発の仕事は、無理に自動化しない |
つまずきやすいところ
| よくあること | 直し方 |
|---|---|
| いきなり大きな仕事(ホームページ全体、年間計画など)を頼む | 小さく切る。1つの文章、1つの表から |
| 完璧な結果を、1回で求める | たたき台と思う。「直す」のは自分の仕事 |
| 何を頼めばいいか分からず、結局やらない | P1(棚卸し)から。5分で決める |
| いきなり有料プランにする | まず無料で2回。続くと分かってから(第3章) |
この章のまとめ
- ツールより、「何に使うか」。
- 最初は、手順が説明できて、失敗しても取り返しがつく仕事を1つ。
- 時間は自分で測る。
- むやみに課金しない。
出典と確認日(第1章)
- Anthropic「AI Fluency: Framework and foundations」(無料コースの一覧ページ、確認日 2026-10-28): https://academy.claude.com/
- 検証は、レオによる実機の確認(2026-10-28、Claude Sonnet 5.5、各1回)。