迷わない AI の選び方第11章

CHAPTER 11

発展編:自動化と、AI の役割分担

  • 確認日 2026年10月28日
  • 読了の目安 約13分

この章について

ここは、第1〜10章を終えてから読む、「任意」の章です。
自動化は、自分が見ていない間に動くので、間違えたときの被害も、見えにくいです。
まず、第5章の安全設定と、第9章を済ませてから、進んでください。

この章でできるようになること

  • 定期的な作業を、安全に自動化する考え方が分かる
  • 外部のサービス(カレンダー、チャットなど)と、つなぐときの注意が分かる
  • サブエージェント(AI の分業)の考え方が分かる
  • Claude と Manus の分業を、組み立てられる

11-1. 定期実行:「いつ、何を、しないか」を決める

4つの方法公式

Claude には、定期的に動かす方法が、いくつかあります。動く場所で選びます。

方法動く場所向いている作業
Cowork の定期実行(/schedule、または左サイドバーの「Scheduled」)クラウド。PC の電源が切れていても、動く毎朝の要約、毎週の報告書の下書き
クラウドの定期タスク(claude.ai/code/routines)クラウド(Anthropic が管理)。API の呼び出しや、GitHub のできごとでも動かせるPC に頼らず動かしたい作業
デスクトップの定期タスク自分の PC(デスクトップアプリ経由)手元のファイルや、ツールが必要な作業
/loop今開いている Claude Code の画面セッションが開いている間の、短い見張り(最大3日)

公式Cowork 公式の手順では、タスクの中で /schedule と入力するか、左のサイドバーの「Scheduled」から作成・管理します。

この章の定期実行の手順は、公式の説明に基づいています。
この環境では、実際に動かして確認できていません。検証なし

定期タスクの書き方:「成功」と「結果の扱い」を決める

定期タスクは、自分で動いて、途中で質問できません。だから、依頼文に次の4つを、必ず書きます。

  1. 成功とは何か(どうなったら、できたことになるか)公式
  2. 結果を、どうするか(どこに置くか。送信するのか、下書きに残すのか)公式
  3. 失敗したとき、どうするか(何もしない、理由を記録、など)目安
  4. やってはいけないこと(送信、購入、削除、公開)目安

(1と2は、Claude Code の公式の説明にあります。3と4は、このガイドの提案です。)

P18:定期タスクを、設計してもらう(まだ動かさない)

定期タスクの設計を、動かす前に頼むプロンプトです。自分では、検証していません。目安・参考

コピーして使う
次の作業を、[毎週月曜の朝9時(日本時間)]に自動で行う「定期タスク」として、設計してください。まだ、有効にはしないでください。
やること:[例:先週の問い合わせの件数と内容を、まとめる]
使ってよい情報:[例:このフォルダの「問い合わせ.csv」だけ]
成功の条件:[例:件数、内容の分類、気づいたことが、1ページにまとまっている]
結果の置き場所:画面に「下書き」として残す。メールの送信、投稿、購入、削除は、しない。
失敗したとき:何もせず、理由を記録する。
重複の防止:同じ対象を、二度処理しない方法を考える。
最初の1か月は、外部に送らず、下書きだけにする。
出力の形:設計案(開始の条件、対象、対象外、処理、出力先、重複の防止、承認のポイント、テスト項目)

定期タスクに、任せてはいけないこと公式

Claude の公式の安全の説明では、次のことを定期タスクに任せないよう、注意しています。

  • 機密データへのアクセス
  • メッセージの送信、購入、取り消しにくい操作
  • 監視せずに、ファイルの削除や送金を進めさせる

最初は、低リスクの作業から。実行結果を、定期的に確認する。使わないタスクは、一時停止か削除。公式

最初の1か月は「下書き」だけ

僕のおすすめです。目安

  • 最初の1か月は、外部に送らない。画面に残る下書きだけ。
  • 毎回、結果を見る。「何もしなかった実行」も、記録で確認する。
  • 問題がなければ、承認が必要な形(承認してから、実行)に進む。
  • 完全な自動送信は、最後。しかも、取り消せる作業だけ。

Manus の定期実行(参考)

Manus には、Schedule(時間で動く)と、Trigger(できごとで動く)があります。参考

  • Scheduleは、毎朝の要約、毎週の競合確認、月次報告に向く。
  • Triggerは、メールや Webhook などのできごとで動く。即時でない場合がある。
  • 同じ対象が、何度も届く前提で設計する(メールの ID、注文番号、イベントの ID を使って、処理済みならスキップ)。
  • 最初の数回は、外部に送らず、Manus の中で確認できる下書きに。

注意:公式LINEへの自動配信について参考・要確認
Manus が、あなたの公式 LINE の友だちに、直接・定期的に一斉送信する標準機能は、確認した公開情報では、確認できていません。
LINE の公式アカウントに自動で配信するには、LINE 側の Messaging API など、別の認証、配信の制御、サーバーの実装が必要になります。

11-2. 外部サービスとつなぐ(コネクタ、MCP)

何ができるか

メール、カレンダー、ドライブ、チャット、データベースなどに、AI をつないで、自分で読み書きさせる仕組みです。
Claude では、「コネクタ」(裏側は MCP という共通の規格)と呼びます。公式

3つの原則

  1. 読み取りから。最初は読むだけ。書く、送る、更新するは、あとで、承認つきで。
  2. 信頼できるものだけ。知らない提供元のサーバーを、つながない。外部の情報を読ませるものは、プロンプトインジェクションの危険がある。公式
  3. 使わないものは、切る。つなぐほど、会話の最初に読む情報が増えて、上限を使います。公式

Claude Code でつなぐコマンド検証

公式のコマンドが、実際に動くことを確認しました。(2026年10月28日、Claude Code 2.1.312)

操作コマンド
追加(HTTP)claude mcp add --transport http 名前 URL
追加(ローカル)claude mcp add --transport stdio 名前 -- npx -y パッケージ名
一覧claude mcp list
詳細claude mcp get 名前
削除claude mcp remove 名前
画面での確認と認証Claude Code の中で /mcp

どこに保存するか(スコープ)公式

場所誰が使えるか
local(既定)このプロジェクトの、自分だけ
projectこのプロジェクトの全員(.mcp.json をチームで共有)
user自分の全部のプロジェクト

検証

  • 追加と、一覧と、削除は、公式どおりに動きました。
  • project に入れたものは、「承認待ち(Pending approval)」と表示され、使う人が承認するまで、接続されません。
  • これは、安全の仕組みです。特に、npx -y で、他人のコードを実行するものは、知らないリポジトリの .mcp.json を、承認しない。
  • 追加の時点では、サーバーが本当に動くかは、確認されません。接続の確認は、/mcp。

安全のために公式

  • パスワードや API キーを、設定ファイルに直接書かない。(環境変数で)
  • データベースは、読み取り専用の権限で。
  • 大量の出力が出る依頼は、避ける。(件数や条件で絞る)

Cowork の「コネクタ」

デスクトップアプリでは、入力欄の「+」 から、「Customize > Connectors」で、Claude が使えるサービスを管理できます。公式
承認のモードは、Manual(都度確認)/ Auto / Skip(確認なし)から選べます。Skip は、完全に信頼できるときだけ。

11-3. サブエージェント:AI の「分業」

何か

サブエージェントは、別の部屋で作業して、要約だけを返してくれる助手です。公式

  • 大量のファイルを読む、調べる作業を任せると、自分の会話が、散らからない。
  • 同時に、いくつかを並行で進められる。
  • 専用の道具と、ルールを持たせられる(例:読み取りだけのレビュアー)。

使いどころ公式

使う使わない
大量の出力(テスト、ログ、資料の読み込み)を、隔離したい頻繁にやり取りが必要な作業
並行の調査(認証、データ、API を、別々に)複数の段階で、文脈を強く共有する作業
権限を絞った担当(読み取り専用のレビュアー)小さな修正

作り方(例)公式

.claude/agents/ に、1つのファイルとして置きます。名前(name)と説明(description)が必須です。

コピーして使う
---
name: reviewer
description: 文章や資料を、読み取り専用で点検する。「点検して」「レビューして」と頼まれたときに使う
tools: Read, Grep, Glob
---

あなたは点検担当です。ファイルを変更してはいけません。
次の観点で確認し、重要度(高・中・低)をつけて報告してください。
1. 事実として書かれた主張に、根拠があるか
2. 誇張や言い切り(No.1、必ず、100%)がないか
3. 数字・日付・固有名詞が、一貫しているか
各指摘に、該当の箇所と、直し方の案を付けてください。

呼び方:「reviewer に、この資料を点検させて」と頼むか、@ で名前を選びます。公式

注意: AI は、サブエージェントを使いすぎることがあります。単純な作業は、直接やったほうが速い。
公式のプロンプトの書き方にも、「並行にできる、独立した文脈が必要な作業にだけ使い、単純な作業は直接やって」と書く、という例があります。公式

検証について:この例の書き方は、公式の説明に基づいています。この環境では、動かして確認していません。検証なし

11-4. Claude と Manus の役割分担

僕の使い分けは、「中身と仕組みは Claude、見た目は Manus」でした。体験談
これを、1つの仕事の流れにすると、こうなります。目安

[設計]    Claude:Manus に貼る依頼文を書かせる(P19)。自分で添削  ← 安く、早く、やり直しやすい
   ↓ 添削した依頼文を渡す
[制作]    Manus:LP・画像・動画を、1回で作る             ← クレジットは、1回に絞る
   ↓ できたものを、自分の目で確認する
[仕上げ]  Claude:文章の点検、事実確認、数字の検算       ← 公開前の点検
   ↓ 
[公開]    人が、最終確認して、公開する

初心者には、「Claude に書かせて、自分で添削する」形をおすすめします。(依頼文を、自分で書く場合も、あります)体験談

分業のときの注意

  1. 引き継ぎは、「確定した依頼文」で。会話の履歴ではなく、自分が添削した文章を渡す。
  2. 人が、間に入る。AI から AI に、自動で渡さない。
  3. 費用の上限を、先に決める。(第8章)
  4. どちらの結果も、自分で確認する。数字、日付、固有名詞(第4章)。
  5. 大事な成果物は、AI のサービスの外にも保存する。(第6・9章)

11-5. 記録を残す:比べる習慣の仕上げ

自動化や分業を、増やしたくなったら、その前に記録をつけてください。

記録する項目例
日付、仕事10/28、LP の制作
使ったAI、モデル、機能Manus(Pro)、Claude(Sonnet 5.5)
プロンプト(保存)付録Eの共通プロンプトなど
所要時間約7分
使った量90クレジット
追加で出した指示の回数0回
結果の質(自分の目で)崩れなし、そのまま使える、など
直した点、失敗文字のはみ出しを修正、など

自分の記録が、いちばん信頼できる数字です。(第1章:自分で測った数字だけを信じる)

11-6. この章のまとめ

  • 自動化は、安全設定を済ませてから。最初の1か月は、「下書き」まで。
  • 定期タスクの依頼文には、「成功」「結果の扱い」「失敗したとき」「やってはいけないこと」を書く。
  • 外部との連携は、「読み取りから」「信頼できるものだけ」「使わないものは切る」。
  • サブエージェントは、大量の読み込みや並行の調査に。使いすぎない。
  • Claude と Manus の分業は、「設計 → 制作 → 仕上げ → 公開」。人が、間に入る。
  • 記録を残して、自分の数字で判断する。

出典と確認日(第11章)